トヨノノレポーター第4回「取材とライティング」登壇のあとがき

by 頼子

トヨノノレポーター講座は早くも4回目、折り返し地点です。
今回の講義「取材とライティング」については、とよのていねいの宇都宮頼子がお話しさせていただきました。

講義に参加いただいた方々、まずはありがとうございました!

 

つたない進行ではありましたが、みなさんから温かく見守っていただきまして、
3時間という長丁場をなんとか乗り切ることができました。

帰宅後やれやれと鏡を見たら眉毛がね、ぜんぶ消えてました。脂汗で。

今回はお父さんに1歳児を託してスタート!

この回をどう繋げるか

いやもうですね、何をお話しようかと。全8回を通じた”トヨノノレポーター育成”という目でみますと、途中のこの回はパイプでもあるわけで、じゃあどう繋げばいいんだと。そういう意味でとても悩ましくって、トヨノノレポーターのみなさんの顔を見る前からずっと悩み続けておりました。

悶々に悶々を重ねた結果、『WEBメディアを通じた豊能の発信。お先に体験した私が色々ご報告しますね会』といったテイでお話することにしました。

そう、これは報告会。
WEBライターたるものはこうでなければならない、ということではなく、
「とよのていねい」ではこういう風に取り組んでいます、という報告会。

頭の片隅に置いておくアイデア帳のような存在として、みなさんの執筆の糧になればいいな、そう思います。

今回の講義「取材とライティング」は、

  • 講義(前半)…実際の記事をみながら記事の書き方
  • 講義(後半)…実践的TIPSとペルソナについて
  • ワークショップ「クリックされるタイトルを考えてみよう」

の3本立てでお送りしました。

この世はWEBライター戦国時代

誰もがネットで発信できるこの時代を戦国ゲームに例えるならば、同じバトルフィールドに、ぽっと出の足軽兵も百戦錬磨の武将クラスも一緒くたになった乱戦状態のようなもの。

とよのていねいは、この乱戦の中をどう戦うのか。

10,000PV(ページビュー)保証、大量のいいね数、そんな莫大な数を稼ぐような花形メディアではない私たちですが「1記事書くごとにファンがひとり増える」そんな記事をめざしています。

というわけで「ファンをつくる記事」についての私なりの考察をお話させていただきました。

どんなことを話したのかがちょこっとわかる当日のスライドはこちらに。
具体的な内容は、当日参加してくれたトヨノノレポーターだけの特権です。

 

講義終了後、参加者の方々にはアンケートをお願いしました。

ご協力いただきましたみなさま、ありがとうございます!うれしいご意見ばかりで、読んでいると元気が出るので、お湯を沸かす間、歯磨きの間、合間を見つけて何度も読み返しています。

せっかくなので、アンケートに寄せられたご意見やご質問の一部に、ここでお答えしていきたいと思います。

とよのていねいQ&A

 

Q:「ペルソナ」はまだ自分の中ではしっくり来てないんだけど、ペルソナがないと記事を書くのは難しいのですか?

いえいえ、そんなことは決してありません。「ファンを作る」というゴールに近づく方法のひとつと思ってください。まずはご自分が(書きたいな、書いてみたいな)と思う気持ちを大事にしてください。

Q:「釣る」の境界を知りたい。人の目をひくのと人の関心を釣るは大違いなようで紙一重かも…

…この質問ビビりません?あまりのレベルの高さに時々忘れそうになるのですが、思い出してください。トヨノノレポーターはプロではなくただの有志団体なんです。

無記名だったのでこの方がどなたかなのかは存じませんが、この一文を読んで(こんな話ができるなんて)と私は静かに震えました。

細かく考察していくとそれこそ一晩中語り明かしたいテーマではありますが、ひとことでずばり言うならば「読んで不快な気持ちになるか、否か」じゃないでしょうか。

あるいは書き手側、読み手側、で考えますと、書き手は取材対象にきちんと愛があるか、読み手は「読んで良かった」と思えるか。この2つを押さえていればいいと思います。

Q: それぞれ場面があるので難しいでしょうが、作品の選択と見方(感性)が聞ければ

発信側になると「どこかに面白いこと、ネタはないかな?」というアンテナの感度が上がります。

このご質問は、わたしのアンテナを珍しく思われてのご質問かと予想するのですが、よそ様のアンテナって誰しも珍しいというか(へー)があるもんだと思うんです。なので、ご自身の面白そう!とか知りたい!というアンテナや直感にぜひ素直になってほしいと思います。

豊能に関する53通りのアンテナ。(ククク…こりゃあスゴいことになるぞ…)と私はとても楽しみにしています。

Q: 紙面とWEB向けレポートの書き方テクニックってどう違う?

わたしは紙面での経験がないため予想の範疇を超えないのですが、紙面に比べてウェブはやはり文字数や写真点数に制限がないことが大きな違いですよね。

基本情報というものは常に新しいものが流れてきて古いものは押し流されていく性質を持っていると思うんですが、そのサイクルがウェブは圧倒的に早い。その激流の中でどう光らせるか、というのは常に意識していまして、そんななか日々考えてることや手法を今回発表させていただきました。

Q: 鉄フライパン記事って依頼記事なの?

いえ、まったく(笑)。誰からも頼まれてないのに、いち主婦の純粋な「これめっちゃいいからみんなに教えなくちゃ!」という思いだけで書き上げた記事です。

Q: ワークショップで、シールが1枚も貼られなかったのがちょっと凹んだ

単語のチョイスや順番を入れ替えるだけで、ぐっと引き締まったり急に光りだす場合もあるので、そんな話もしたかったのですが、ワークショップの時間が足りなくなってしまいすいません。

「タイトルを考えてみよう」というワークショップは、言葉を紡いでみるという体験にすぎません。

わたくし、重要なことをお伝えするのを忘れておりました。

ワークショップのシールの意図としましては、クリックを仮想的に可視化したかったからです。クリックを可視化すると一体何が見えてくるのか、という実験で皆さんと考察したかったのですが、時間配分をミスってしまった結果ワークショップの時間が足りず……。

というわけで駆け足で、シール枚数が多いタイトルのみ読み上げて発表させていただいたんです。ごめんなさい。

シールが0枚だった方。どうか落胆しないでください。”ニッチな需要を攻めた”という面でまずは成功しています。言葉のチョイスやすこし切り口の方向を変えるだけで、化ける可能性は大いにあります。

また1枚だけしか貼られなかった人。喜んでOKです。それは絞り込んだ届けたい人にきちんと届いてるということです。

ということでたくさんシールが貼られた方も少なかった方も、ここからコピーをどう練り込んでいくかによってどんどん面白いタイトル、そそるタイトルに化けます。
おうちでも「クリックしたくなるタイトルを考えようゲーム」みたいな感じで自主練してみてはいかがでしょう?

あとがき

いわゆる「ウェブライター」界は、PV数いいね数はてぶ数…どれだけ多く数字を稼げるかという視点で強弱がわかれています。花形であればあるほど数が稼げる、といった具合です。

この業界はその一点張りかと思ってたのが、どうも様子が違うぞ……と最近気づき始めました。あれ?こんなところに抜け道あるよ?とでも言うんでしょうか。

届けたい人を絞り込んで研ぎ澄ませていくと、それはもはや”手紙”。

自分の隣人や友人に手紙を書くように記事をかけばきっと「自分のファン、豊能のファンを作る」というゴールは見えてくるんじゃないか、私はそう思っています。

アンケートにこんなご感想をいただきました。

「70歳代の思考と若い方々のセンスの差異を痛感しました」

違うんです!ここは声を大にして言わせていただきたい。

トヨノノレポーターは10代から80代、学生に育児ママ、最近豊能町に来た方、長年豊能町に住んでいる方、豊能町外の方と、バラエティに富んだそうそうたるメンバーです。

わたしは70〜80代という人生の大先輩の心に響く記事を書くことは、きっとできません。

わたしは10代を経験済みではありますが、あのフレッシュな感性の彼ら彼女らの心に響く記事を書くことは難しいでしょう。

老若男女のライターひとりひとりが隣人や友人に向けた手紙のような記事を書く、そんなメディアはまだどこにもないのではないでしょうか?

トヨノノレポーターが53人集まれば、佐藤可士和に勝てるかもしれない

超有名なクリエイティブディレクター佐藤可士和さんが1億人にむけて打つ大々的な広告よりも、トヨノノレポーターひとりが大学時代の友人に向けて書く記事の方が強い、わたしは本気でそう思っています。

そんなロマンを感じざるをえない、トヨノノレポーター。次回からは実技編です!

 

5 コメント

かねこ かよこ 2017年12月6日 - 2:22 PM

turkに関する私のつぶやきに答えて頂きありがとうございました(^-^)
affiliate?リンク?まで貼っておられたようなので、その熱意がスゴイですね!
そしてどーでも良いことなのですが、とよのていねいさんのロゴマーク、小さいのを見ていたら、妙見山を挟んで西地区→家ばかり、東地区→山ばかり、と一目で豊能町を表してるなんてステキ‼︎と思ってましたが、今回大きなものを見ると、西地区は小鳥⁉️
私の勘違いでしたか…

Reply
とよのていねい 2017年12月6日 - 5:56 PM

コメントありがとうございます!市販されている製品レビュー記事をもしお考えならば、アフィリエイトおすすめですよ。さほど導入はむずかしくありませんので。
とよのていねいロゴについてですが、実は豊能町の町章のオマージュなんです(笑)
参考)
http://www.town.toyono.osaka.jp/reiki/d1w_reiki/352909010420B00000NH/352909010420B00000NH/352909010420B00000NH.html
> ひらがなの「と」4つを中心の「の」でまとめ、「と・よ・の」

西地区、東地区のアイデアは思いつきませんでした!もし将来ロゴをリニューアルすることがあれば、ぜひ…(笑)

Reply
平田一代 2017年12月6日 - 2:27 PM

「釣る」と人の目をひくことの違いを質問した者です😅アンケートに答えてから投稿するたびにその質問の答えを問い続けていましたが、やはりていねいさんのお答え通り「相手を不快な気持ちにさせない」ですよね。万人に当たり障りなくとなると興味をひく投稿はできないけど、そこで前回のテーマの『ペルソナ』が大切になるんですね。誰かに手紙を書くように…

Reply
とよのていねい 2017年12月6日 - 5:18 PM

コメントありがとうございます(笑)現時点でそんな風にお気遣いできる平田さんなら、きっと大丈夫だと思いますよ😊 平田さんのお人柄を感じる記事、今から楽しみにしています。

Reply
豊能町事業|町の魅力を住民目線で発信「トヨノノレポーター」運営支援 | とよのていねい 2023年2月20日 - 11:36 AM

[…] 豊能町のシティープロモーションの一環として、豊能町のさまざまな魅力を発見・取材するライター「トヨノノレポーター」が2017年より始動しています。その育成事業として、全8回にわたって企画・編集・取材・写真撮影と多岐にわたってイチから学べる講座(無料)が、2017年と2019年に開講されました。わたしたちもトヨノノレポーターのメンバーでありながら、講師としても登壇させていただき、ライティングのコツや、ミニ発信講座などを担当しました。2018年より「トヨノノPORTAL」が開設され、町内外・多世代のライターさんが多種多様な記事をアップされています! […]

Reply

コメントする

わたしたちについて

「都会の贅沢もいいけれど、せっかく豊能で暮らすなら心満たされる本当の贅沢を」ローカルWEBマガジンやイベントの運営、暮らし方の提案を通じて「豊能町っていいな」と町外はもちろん、町内の方々にも再認識してもらえたら、と活動中です。

 

詳しくはこちらから

最近の投稿

ピックアップ記事

@ 2016  一般社団法人とよのていねい