大阪の奥地の私設パビリオン「とよのパビリオン」とは何だったのか。

by yu1

「2025大阪万博に関わりたい!」という強い思いがありつつも、その糸口が見つからず手をこまねいていたところにEXPO酒場の存在を知ったわたしたち。
「とりあえず私たちも自分たちの町でまずは酒場から始めてみよう!」と、demo!expoさんに伴走いただき、2023年6月に初のEXPO酒場 豊能店を開催しました。今回は、そこから約1年を経て開催した《世にも勝手な私設パビリオン》こと「とよのパビリオン」開催レポートです。

【生成AI音楽 x まちづくり】とよのパビリオンのミュージックビデオ・レポート

まずはこちら、本記事の突き出し「生成AIとともに作った『ミュージックビデオ・レポート』」でございます。

ちかごろの私たち、生成AI音楽とまちづくりを掛け合わせて、クリエイティブやアートに昇華できないかなと活動していまして。その一環で今回の「とよのパビリオン」もAIと一緒に作詞作曲してみました。

音楽:宇都宮正宗 写真撮影:NOSE KNITsさん

とよのパビリオン開幕!

2回目となるEXPO酒場豊能店改め「とよのパビリオン」は、豊能町・余野の中西商店さんで開催。豊能町特産物のヤーコンを使ったウェルカムドリンク「とよのサイダー」で乾杯しました。

レモンの爽やかさとヤーコンのやさしさ甘さが好バランスな豊能名産の炭酸ドリンク

小さい町だからこそ燃える、頼まれてないからこそ燃える。「でも、やろう」談

今回の目玉のひとつでもあった座談会。demo!expoボードメンバー × とよのていねい × 北摂のキーパーソンを交えて、地域と万博の可能性について、それぞれの目線で聞く&考えてみる貴重な機会でした。

池田市から、吉岡 博充さん(Ikeda Role and Creation)、神田 智範さん(イケダ万博代表、EXPO酒場池田店店長)、川西市から、九鬼 麻衣さん(アンドイー 合同会社)、渡辺 敦子さん(designまるさんかくしかく)中 博司さん(Lashisa/モルックドーム)、そしてdemo!expoのボードメンバーの岡本 栄理さん、今村 治世さんをゲストとしてお招きしました。

初回のEXPO酒場豊能店を開催してここまでで1年。たくさんの出会いがありました。エリアを越えた酒場店長たちとの出会いと連携、乃村工藝社さんとの出会い、イケダ万博への出張、近郊のキーパーソンの皆さんとぐっと距離が縮まった1年間を振り返りました。

座談会中、飛び交っていたのは「全肯定の世界」というキーワード。チャレンジを前進させたりブーストをかけるためには、不可欠な空気感です。この言葉を胸に携えて、まちをひっぱっていく皆さんの力があればどこまででもいけるな、と未来に期待せずにはいられない温かくパワフルな座談会でした。

当日の座談会のようすは、YouTubeの開催レポートに上がってますので合わせてご覧ください!来年の大阪万博開幕以降に、「この時にこんなこと話してたんだな」ってより価値が生まれそうな貴重な会話が納められています。

俺らが見たことない、おとん&おかんに聞く。「万博の記憶 NEXT

私たちの世代は、’70万博当時のことをあまり知りません。ためしにあの頃を体験した身近な人に「万博のとき何してたん?」聞いてみたら会話が弾む弾む。「万博」を知る人の記憶をみんなで共有したら、大阪万博をもっと具体的にイメージできるんじゃない?と始めた実験です。

様々なエピソードを集約し展示した大型タペストリー

ネット検索では出てこないような当時の万博体験者ならではのリアルエピソードを展示。大型タペストリーで開場を装飾しました。

じつはこの「万博の記憶 NEXT」は、まちごと万博@なんばがきっかけで生まれた企画。エピソードの収集は、EXPO酒場和歌山店の方々や乃村工藝社さんにもご協力いただきました。

なんばでの初回展示は、乃村工藝社大阪社屋をお借りし完全予約制で決行。贅沢!

「万博」インタビューを繰り返して見えたものとは。

本イベントは地元で活躍する北中 康雅さんが撮影・編集を手がけた映像作品「万博と記憶 NEXTのおひろめ会でもありました。

地元の小学生から90歳オーバーの大先輩まで。時代背景も嗜好も違う各世代にむけて「万博」を切り口にインタビューを繰り返したら、果たして何が浮かび上がるのでしょうか。大阪万博を控え、地域で暮らす人々の等身大の2024年の今の姿を納めた、あたたかな温度の作品が完成しました。

最初は万博にあまり興味がなかった、開催中も行かないだろうなとさえ思っていた北中さん。撮影を通してたくさんの方の記憶、それぞれの世代がぽつりぽつりと語る現在・未来への思いを聞くうちに「万博に行ってみたい」と前向きな気持ちが芽生えたと言います。(弊社の宇都宮はそのセリフを聞いて(機運醸成)大成功じゃないか、と心の中でガッツポーズしたのだとか。)

民間発・勝手シティプロモーション「ヘンなただいま博」

会場の前、国道423号線に出現したのは、大阪・豊能町のブランドメッセージ 「曲がりくねってただいま 」をオマージュした「ヘンなただいま」をする専用のドア。

ご当地「とよのサイダー」を持ってただいましたり、お子さんと一緒に何度も楽しんだり……思い思いのただいまが集まりました。皆さんから集まった「ヘンなただいま」はYouTubeで順次アーカイブしています。

こちらの「ただいまドア」は、まちごと万博@なんばがきっかけで生まれたオリジナル企画。EXPO酒場を通じてエリアを越えたご縁やご協力があって生まれました!詳しい誕生秘話はこちらをぜひご覧ください!

ただいまドア制作協力(順不同・敬称略)
日本紙工株式会社(ただいまドア制作・提供)
株式会社小泉製作所(ただいまドア制作・提供)
野村 範仁(コーディネーター・EXPO酒場 堺店)

嬉しいことも、後ろ髪引かれたあのことも。「巻き戻したい」こと、教えてください。

時を巻き戻したくなる瞬間が人生には、ある──。

カセットテープを絵馬に見立てて《巻き戻したいこと》を声で吹き込む、ポップアップ型神社「まきもどし神社」が豊能町にも登場!時に関するノスタルジーなミックステープが集まってくる神社なんです。

この日の神主は地元大学生であり、初回の酒場ではパネリストも務めてくれた大西達也くん。そして巫女役は、会場のEMMACOFFEE常連のたえこさん。

たえこさんは、会場下見の際コーヒーを飲んでた一般のお客さんで。そのときに初めて出会ったのですが、とよのパビリオンの説明をすると「面白そう!」とお客さんを飛び越えて、一緒につくる側へ挙手してくれたありがた〜い存在。神主&巫女の息もぴったりで、会場を盛り上げてくれました!

ぶっつけ本番でも動じず参拝客をおもてなしし、堂々と祝詞を読み上げた達也くん。
おもわず吹き出しそうな瞬間がたくさんあったのに終始しずしずと振る舞ってくれたたえこさん。

まきもどし神社の企画は、大阪万博開幕1年前イベント「EXPOTRAIN阪急号」で生まれたもの。誕生秘話はこちらから!

作りかけのロボットにいのちを吹き込む。ていねい太郎うらない

むかしむかしといっても1年ほど前、1割できたら「完成した!」と思い込んで、すぐ興味を失ってしまうタイプのプログラマー兼社長によって生み出された、一体の「カニ座限定の占いロボ」がおりました。しばらくの間は、社員を楽しませてくれたロボでしたが「これまったく役に立たないね…」というネガティブな感想を集めてしばらく忘れ去られていたのですが、2025万博を機に社長がロボの存在を思い出し、今回のとよのパビリオンにあわせて命をふきこみました。

AIを搭載した新ロボ「ていねい太郎」は、電源とネット環境が整っていればあなたに寄り添ってくれる良きパートナー。

教えてほしいことも、聞いてほしいことも「ていねい太郎」におまかせ!悩みをただただ聞いてくれる傾聴機能も搭載。「善とは何か?」といった哲学的な問いから「今日の晩ごはんは何がいい?」まで、あらゆる悩みや運勢まで占える存在に進化したのです。

ささやきボイスで答える、ていねい太郎の一言一句に耳を傾ける参加者たち。傾聴しているのは、ていねい太郎なのかそれとも人間のほうなのか、謎の光景が生み出されていました(笑)

レポート動画のスクリーンショット

乃村工藝社有志プレゼンツ。1970年大阪万博の展示と豊能のあそび「タナタナ相撲とよの場所」

乃村工藝社の有志の皆さんによるご協力もたくさん!EXPO’70当時、街や会場を彩ったポスターや、開幕式に登場した香水をまとった香り付きの紙吹雪などなど、万国博覧会に携わりつづけている乃村工藝社さんならではの貴重な展示物を豊能町まで持ってきてくれました!

そしてそして大注目の乃村工藝社持ち込み特別企画「タナタナ相撲とよの場所」ブースが登場!実際に豊能町に足を運び、高山や余野などのエリアを巡り、地元民のヒアリングを通して、この日の数時間のためだけに制作いただいたんです……!手間暇とクオリティの高さに胸が熱くなる〜!

豊能町自慢の景勝地「棚田」を舞台に、まちの特産の納豆、猪肉、高山ごぼうなどがモデルになった力士キャラたち。7体ぜんぶ愛らしく、それぞれの選手名&バックストーリーや必殺技にも触れた詳細設定がまたいいんです!

遊び方は、昔ながらの指のトントン相撲を現代版にバージョンアップしたもの。「トントン」という声に反応して土俵が揺れるので、年齢差やテクニックによるハンデも少なくこどもから大人まで真剣になって遊べるシロモノ。「豊能町公式ゲーム競技としてぜひ広めてほしい!」という声が会場からあがるほど盛り上がりました!

このほかにも、ハードコア系でまとめられた「タナタナ相撲」選手紹介映像があったりしてですね。プロのクリエイティブを惜しみなく注いでいただいて、ありがたさとクオリティの高さに私たちは気絶寸前でした。

ご当地フードで「おかえり」。地域のお母さん手作り里山ごはん

お隣のブースでは地元お母さんたちが、手際よく作ってくれる里山ごはんも楽しめました。お味噌もお野菜もお米もこの地で作られたもの。気取らないおにぎりやお味噌汁で「おかえり」と出迎えます。

「豊能町がもしパビリオンになったら?」そんな妄想から生まれた、とよのパビリオン。たくさんの人に手伝ってもらってできあがった姿は、プロもアマも関係ない無差別級持ち寄り文化祭のようで、わたしたちのやりたいことの片鱗が見えたようなそんな会になりました。

豊能店店長 相澤よりひとこと

最初は「大阪万博?イメージわかないな……」というのが、私の率直な感想でした。 EXPO酒場を開催してみて、豊能町を拠点に活動してきた私たちの視野や繋がりが大きく広がったと実感しています。小さな町の小さな団体の私たちですが、今まで出会うことのなかったたくさんの協力者の方たちとの出会いがあり、「万博」というキーワードの可能性を感じています。「万博」を通じて出会った皆さんとの今後の展開も楽しみにしています!


CREDIT&SPECIALTHANKS(順不同・敬称略)

スタッフ
相澤 由依( EXPO酒場 豊能店 店長・一般社団法人とよのていねい )
宇都宮 正宗 (ていねい太郎の生みの親 ・一般社団法人とよのていねい)
宇都宮 頼子(いろいろ現場監督 ・一般社団法人とよのていねい)

〜協力〜
一般社団法人demoexpo
中西 信一朗(会場協力:中西商店/EMMACOFFEE )
北中 康雅(「万博の記憶NEXT」映像制作)
乃村工藝社 有志の方(オリジナル企画・展示協力)
吉岡 博充(スペシャルゲスト・Ikeda Role and Creation)
神田 智範(スペシャルゲスト・イケダ万博代表、EXPO酒場池田店店長)
九鬼 麻衣(スペシャルゲスト・アンドイー 合同会社)
渡辺 敦子(スペシャルゲスト・designまるさんかくしかく)
中 博司(スペシャルゲスト・Lashisa/モルックドーム)

〜これまで「EXPO酒場 豊能店」に協力してくれた人〜
豊能町(後援)
株式会社乃村工藝社(会場提供ほか)
映像制作 JOYNT(​まちごと万博なんば撮影編集)
株式会社関西東通(70’EXPO写真提供)
野村 範仁(EXPO酒場 堺店)
樋口 賀美(EXPO酒場 吹田店)
柴崎 寛子(EXPO酒場 湖南店)
太田 佳宏(EXPO酒場 和歌山店)
日本紙工株式会社(ただいまドア制作・提供)
株式会社小泉製作所(ただいまドア制作・提供)
能勢電鉄株式会社(什器協力・告知協力)
世並 誠(設営・運搬協力)
駄菓子屋の夢博物館(70’EXPOグッズ協力)
豊悠福祉会 祥雲館(インタビュー協力)
トヨノノレポーター44ときわ (インタビュー協力)
トヨノつながるWEマーケット村井 美弥子(インタビュー協力)
万博マニア 二神 敦(インタビュー協力)
オオニシ カナコ(鳥居DIY監修・インタビュー協力)
mushamon(鳥居DIY・大道具小道具)
flower.marusankshik(ていねい太郎づくり)
たえこさん(ていねい太郎づくり)
NOSE knits(​撮影)
稲妻家(駅弁(製造))
高木銘竹店(駅弁(竹皮))
モルックドーム(企画会議・会場装飾)

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わたしたちについて

「都会の贅沢もいいけれど、せっかく豊能で暮らすなら心満たされる本当の贅沢を」ローカルWEBマガジンやイベントの運営、暮らし方の提案を通じて「豊能町っていいな」と町外はもちろん、町内の方々にも再認識してもらえたら、と活動中です。

 

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