華麗なる老化1年生。白いアイツと上手くやっていく

by 頼子 2020年1月10日

高校生の頃、私の前髪はV字だった。

美容院から戻った私に、おかえりと言う代わりに「なんでそんな……」と言葉を詰まらせた母に対して、わ、わかってないなぁお母さんは。これが今の流行なの。似合うとか似合わないとかの次元を超えてんの!と息巻いていた。(ちなみに、親のお金で髪を切りに行き、このザマである)

「らしさ」を追い求めて迷走する運命

あの頃といえばZipper、CUTiEなど青文字系ファッション雑誌の最盛期。ハッピーでカオス、独特な若者文化の時代でありました。そんな最先端に心酔しながらも「親に怒られたり、学校の校則に引っかかるわけにはいかないし……」意気地なしで、いびつで、真面目な女子高生こと私。そうなると自由にできるエリアはもう残されてないわけです。前髪しか。同じように悩める同志たちはこぞって、傾斜が付いたナナメ前髪だったり、あるいは都会のビル群かと見紛うような、長さがバラバラの短冊を並べたような前髪をして、なんとか流行の波のしっぽにしがみついていたんです。

自分に似合うかどうかより「ときめき」優先だった

ファッションに興味を持ち始めた10代から始まり、20代、30代。洋服にも髪型にも「ときめき」がそこにありました。むしろ「ときめき」さえあれば、たとえ似合ってなくても個性的♡とご満悦でさえありました。

それが堂々たるアラフォーに近づくにしたがって、不動だったはずの「ときめき」原動力にかげりが。今の自分に無理なく似合うファッションとは、と悩むようになります。金銭面でも、ルール面でも、自分を縛るものが何もなくなったら、今度は欲しい服やなりたい像が見当たらないとはなんとも皮肉な話。

「ときめき」を失った私は、かわりに「忙しい」を掲げて、どんどんと美容院から遠ざかっていたのでした。

そんな時出会ったのが、豊能町新光風台にある「tickle&flirt(ティコとフラート)」さん。

美容院ギライが美容院にやってきた

あなたは美容院にどのくらいのペースで行きますか?

──2ヶ月?なんと素晴らしい美意識!

──おや、あなたは半年?ダイジョブダイジョブ、まだまだイケます、ごまかせます。ワーキングマザーになった私はこんな調子で美容院の優先順位を下げて下げて下げ続けて……ついに今回の美容院は1年半ぶりでした。新記録更新!

長かった髪をいったんザンバラに切ってもらった私。前から見ると、卑弥呼さまー!と叫ぶお笑い芸人さんみたいでした。

この日頼んだのは、カット&カラー。

美容院には平気で1年行かないけれど、増え始めた白髪が気になり出したこと。加齢の髪には清潔感が大事だと気づいたこと。あ、そうだ、ちょっぴり個性も出したいんです、美容院には平気で一年行かないタイプなんですけども。

ほぼ祈りのような矛盾を多く含んだオーダー、もといワガママを聞いていただいて。

心地の良いおしゃべりを楽しみながらサクサクと進んでいく工程

今だから「グレイヘアへの移行期」を楽しみたい

こまめにカラーしない私が、最近ビンビンに気になっている「グレイヘア」。白髪染めをしないという選択。そんな軽やかな選択をした先輩たちのことが気になって仕方ありません。

グレイヘアの末、絹のような白髪を手に入れたマダムたちは、おしゃれの幅が広がったと言い、大ぶりのサングラス、多点投入のジュエリー、毛皮のコート、ビビットカラーの服を品良く着こなしており、小娘には到底真似できないくらいバチっと決まってかっこいい。

「早く私もあの域に達したい!」と願う40代の私にとって、現在の髪は染めるの?染めないの?とジャッジが難しい時期でもあります。完璧に隠して「なかったことにする」というのもなんだかイビツ……と感じるお年頃。なんたって不惑の年ですもの。

俺が!いや俺が!白髪も黒髪も主張しすぎ問題

提案いただいたのは、黒髪とコントラストの差で白髪が目立ってしまうところを、ハイライトやローライトを入れ、白髪と黒髪のコントラストを弱めることで、どちらも溶け込ませて共存させるスタイル。

要は、黒・茶・こげ茶・薄茶・グレーとあれば、白は目立たないでしょってことです。

嬉しいのが「染めたての頃から1ヶ月、3ヶ月……と退色していく過程も個性がでて楽しめますよ」というひとこと。これは美容院あとまわし勢にもありがたい!

カラーリング遍歴は「年輪のように」深みを帯びる

印象的だったお話をもうひとつ。

カラーリングって、完全に抜け落ちることはなくってある程度抜けたところに地毛の色も加わりながらまた別の色が入って……とその人だけの深みのある色になるんです。木の年輪みたいに。さらにロングだとわかりやすくなるんですけども。

と今までの髪型遍歴をすべてを肯定してくれるかのよう。「私もここで自分の年輪を育てたい」とグッと来てしまいました。

子どもに対しても、すごく丁寧にヒアリングしてくれます

数々のヘアコンテスト受賞や東京の都心部で10年以上美容師をされていた経験もあるtickle&flirtさん。豊能町に移転されて気づいた、ここならではの客層の特徴ってあったりしますか?

一般的には「伸ばしていた髪をばっさり切る」ことに抵抗があるお客様も多い中で、豊能町のお客様はイメチェンすることに前向きで好奇心がある方が多いですね。

へー私みたい!

あとは、みなさん品があるというか……。バーン!と個性を全面に出すよりも、アクセント程度に品良くほんの少し個性を出したいとおっしゃる方も多い印象ですね。

ほおお、面白いですねぇ!(……ん?たしか私も同じようなオーダーした気が(笑))


ツヤ感が出やすいという赤みベースのボブにしてもらいました。ハイライト&ローライトのおかげで立体的に見えるのも嬉しい。

この髪にしてから、周りから褒められ率がかなり高く、自然と気分も上がります。

紅葉の山とともに。オータムカラー大好き人間。

年をとってゆく自分を受け入れながら、軽やかに生きていこう!

店舗情報

  • 住 所  : 大阪府豊能郡豊能町新光風台2-13-2
  • 電 話  : 072-703-5556
  • 定休日  : 水曜日(臨時休業有)‬ ‪
  • 営業時間 : 平日 9:00〜18:00‬/土日祝 9:00〜13:00‬ ‪
  • 最終受付 : カット…1時間前‬/ ‪パーマ・カラー…2時間前‬/弱酸性パーマ…3時間前‬ ‪
  • ご予約優先
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