野生のクリエイティブは梅田で通用するか ←EXPO OPEN STREET→手記(後編)

by 頼子

2024年10月13日 大阪・関西万博開幕半年前イベントとして、大阪梅田に点在するランドマークを縦横断し開催された、HH EXPO、EXPO OPEN STREET、EKI EXPOの3つのお祭り。とよのていねいがプランナーとして参加した、EKI EXPO内「←EXPO OPEN STREET→」(以下 EOS)。親子で楽しめるSTREET WORKSHOPの様子を、ここに記録しておきたい。

パッションだけで書き切って若干何言ってるか分からない前編に比べて、長老のような落ち着きを取り戻した9ヶ月後の今。2025大阪万博は無事開幕し連日大盛況の今になってお届けする後編は、それぞれのワークショップ紹介です!


目次


◯ ヘンなただいま博

豊能店といえば、でおなじみになりつつある「ヘンなただいま博」。各所に出張を繰り返すうちに、傷とへこみとリペアの跡。これまでの2年間、数々の「へんなただいま」を送り出してきた勲章のようで誇らしい気持ちになる一同。

不自然な覆い方をしているワケは、道路や歩道での社名記載が「広告看板」に該当してしまうため。泣く泣く、メイドイン 小泉製作所日本紙工、とよのていねい の名前を隠すことになりました。…とはいえ、強い日差しに浮かび上がる文字が、逆に存在感を放っています(笑)

万博開幕を半年前に控えて、英語訳も用意。果たして「The strange “I’m home” door.」で合っているのか、スタッフ内でも答えは出ていません。

集まった「へんなただいま」を一部紹介!

梅田のど真ん中に突如響く「ディジュリドゥのただいま」(※川西市モルックドームでいつも挨拶がわりに吹いてくれる中さんならでは。)
元気いっぱい笑顔弾けるただいま。条件反射で飛び出す「かわいい〜!」の声援がおかえりの代わり。
「ハッピー通貨特区民」の常連さんによる、へんなただいま。最後の笑顔がハッピー!
うめだマイゴロードを担当したプランナーのかわかた たまみさん。親子で駆けつけてくれて「へんなただいま」
「何が帰ってきたんや…」「背中見えてるで!」と外野が突っ込まずにはいられないヘンなただいまをしてくれたのは紙芝居のガンチャン

都会のど真ん中で「ヘンなただいま」をやってみて

もっと気軽に出没したいからアップデートしたい

  • どこでも出没できるような、持ち運びが簡単な軽量バージョンがほしい
  • これまで業務用HDカム&三脚だったが、置きっぱなしでもヒヤヒヤしないような、防犯カメラ型(夜にも強い)に変更したい(動体検知、双方向会話もできるええやつ発見..!!→Amazonリンク)
  • ドアのまわりをあえてコーンなどで囲うと謎のアート感が増す発見(夜の時間帯はコーンで囲っていたが、ヤンキーの方々が、囲いを乗り越えただいまを楽しんでいた光景に遭遇)
    • 美術館のようなポールパーティションを立てて囲ってもいいかもしれない。ドア自体もパフォーマンスする人もアート化するかも?

◯手が長い人になって過ごす

こどもオモ部 主宰 ジョー(的場聡子)さんによるワークショップ「手が長い人になって過ごす」がこちら。

初見の人にしたら「あれ?どこか読み飛ばした?」と思ってしまうくらい、時空も説明もなぜ?もそこそこすっとばした唐突なワークショップ。大丈夫、多くのひとが感じる正常な反応です。

もう10年ちかく前になりますでしょうか、豊能町移住当初。まだ小さかった子どもに色々な体験をさせてあげたい一心で、Facebookで近隣サーチをする中で巡り合った川西市の「こどもオモ部(→YouTube)」。活動内容を私なりのひとことで言えば「おとなが一番楽しみながら監修する《子どものハードコア情操教育》」とでも言いましょうか。

長女の小学校ラストの2年間、こどもオモ部に入部。保護者として活動を間近で観察し、「いつか創作講師としてお願いしたい」と心に温めてた念願を果たしました。

「“手が長い人” で検索したらヒットします」

ジョーさんに「子どもも大人も楽しめる参加型のアート系ワークショップの企画と講師をお願いしたい」と相談し、どんなんがいいですかね、の問いへの返球が
「えっとね、Facebookで『手が長い人』で検索 したら出てくる思うんですけどー」である。なんだよそれ。

そして、本当にジョーさんの創作講師事例だけがヒットした。なんというSEO。あのですね、シンプルなキーワードで検索TOPを狙うのは、非常に難しいんですよ。全SEO業者が指をくわえて羨ましがる現象。ジョーさんのクリエイティブが誰の真似でもない証とも言えて、あらためて痺れ、憧れるのでした。

固くなりがち・無表情になりがちな大規模オンライン会議では「手が長い人になって過ごす」の醸し出す、ちょうど良いレベルの”置いてけぼり感”によって、阪急阪神・JRの偉い人たちさえも全員思わず半笑いになってたのも良い思い出であり、提案側としては大変救われるシーンでした。

実際のワークショップの様子に合わせて、ジョーさんが本企画のために書き下ろしてくれたステートメント全文を掲載。

どんどん便利になって、スマホひとつでいろいろできちゃって、なんでもAIがやってくれる世界で、人類の進化はどうなっていくんだろう?

江戸時代の人ってめっちゃ体力あったんだって。成人なら誰でも米俵かつげたとか。
江戸時代の人が、わたしをみたら「どんだけ体力ないねん、てやんでぃ!」「米俵かつげねえってのはどこのどいつだい?ちきしょーめ!」とか言うかもしれないけど、スマホで連絡やりとりして、Amazonでポチって、ねっころがって動画編集するのに、そこまで体力なくて大丈夫なんよね。これは退化なのか?進化なのか?

たまに、街ですれ違う人がTikTokから飛び出してきたみたいなスタイルや顔のとき、びっくりする。目でっか!手足ほっそ&なっが!あれは人類の進化のトップランナーじゃなかろうか?
技術の発展、食生活、環境の変化のなかで容姿も身体能力も五感も、ベストをさがして進化の触手をのばしてるんだと思ったら、大きな時間のなかでの命のダイナミズムと冷静さを感じる。

これから先、どう進化するかは謎だけど想像したらおもしろい!
自撮りしてるうちに腕が伸びていって手長族が爆誕するかもしれない。
ーーーー
「手の長い人になってすごす」
人類のひとつの進化(仮)「手の長い人」になってみよう!

手をつないでみたり、拍手してみたり、ビンタしてみたり、いろいろな過ごし方を楽しむ参加者たち。
2歳児が参加!「これをやる」という意思のある姿
都会の喧騒を危惧し「手を長くなるためのハウツー」を図解で用意してくれました。
ジョーさんのご実家は手袋の産地、香川県東かがわ市。家中の手袋をかきあつめて送ってもらったとのこと。
通行人に長い手が当たってはいけない!ナヨナヨした園芸用ネットで必死にバリケードするスタッフたち。
アートを感じる瞬間の一枚。
お持ち帰りご希望の場合は、長い手をコンパクトに巻いてお渡ししました。

完璧には扱いきれない長い手が描くいびつな曲線と、美しくミリ単位でデザインされた高層ビルが描く直線。
彩度の高い日差しのなか、ちょっと長い手になって過ごしてみようかしらね、と行動しちゃう人と、チラッと一瞥だけして忙しそうに通り過ぎていく都会らしい通行人。

対比がいちいちすごいこの感じ、行ったことはないが「ニューヨークみたいだ!」と大騒ぎしました。

ジョーさんが教えてくれたワークショップ中の「ちょっといいこと」

参加してくれた親子に、撮影写真を見せたときのママの一言「わ、楽しそう。私が。」

倒置法だからでしょうか、まるで感情先行で漏れ出た自由詩のようにも思えてきます。まさにこのエリアで実験したかったこと(下の画像参考)の答えを見せてもらった気がしてうれしくなるエピソードでした。

こどもオモ部による、もっと詳しいレポ動画も合わせてどうぞ!


◯ハッピー通貨特区で過ごす

川西市・モルックドーム 中博司さんによる取り組みを都会のど真ん中でやってみる試み「ハッピー通貨特区で過ごす」。

「〇〇したからハッピー」身の回りのハッピーを記入した紙がまるで通貨のように、交渉材料になったり等価交換できるエリア。ハッピーの発祥地と言われる(諸説あります)川西市では、すでに約2万枚も流通しているのだとか。損失やもうけの世界から一歩離れたハッピー通貨。ためらいなくおごりまくる富豪体験やカジュアルにハッピーをせびる体験を楽しもう!

ハッピーをご存知ない?

モルックドームで流通し、壁一面に貼られている「ハッピー」は、一般的な通貨とは異なるユニークな存在。すこし本筋からずれますが「ハッピー」についてご存知ない方のために、中さんから聞いたお話(めちゃくちゃ面白いのです)をもとにその特徴と具体例をまとめました。

誰に聞いても雲のように曖昧な謎の「ハッピー」の存在、ここまで詳細に綴られたものはおそらくネット初のはず。

  • ハッピーは通貨ではない
    • ハッピーに感じたことを紙に一枚書くだけ。その紙は1ハッピーとしてカウントされます。
    • 例えば、ある日は5ハッピーでプリンが食べられても、翌日には10ハッピーになるかもしれないし、もらえないかもしれません。レートはどんどん変わります。
    • ハッピーを通貨として使う人もいますが、なるべく通貨から離れて楽しむほうが”ハッピーならでは”と言えます。
  • 「ハッピーは集まる。集まるとハッピー」が定義
    • なぜハッピーが存在するのか、なぜ集まるのかといった理由を問うのではなく、「ハッピーは集まる。集まるとハッピー」という定義だけが存在しています。これは「太陽は存在する」という普遍の存在に似ています。
  • ハッピーが集まる理由は人それぞれ
    • 目の前の人に求められたから書く人。
    • なんだか書きたくなったから書く人。
    • 「俺も(ハッピーを)壁に貼られたい!」という願望。
    • ハッピーでプリンを食べてみたいという願望。
    • ハッピーが足りなくて困っていたから分けてあげた/書いてあげた、という助け合いの精神。
  • 意識の高いハッピーも、低いハッピーも存在する
    • 「暑い」「うまい」「走った」「こけた」といった衝動的で3文字程度の書きなぐりのハッピーも集まってきます。
    • ハッピーの「精査」や「鑑定」といった品質管理は行われません。
  • “ダサさ”が抑止力になる
    • 話が盛り上がらないような書きなぐりのハッピーは「ダサい」という雰囲気になることがあります。
      • 禁止されるよりも「ダサい」と思われる方がダメージが大きく、暴走の抑止力になるようです。
    • 「明日告白する予定でハッピー」のように、詳細を思わず聞きたくなるようなハッピーは、話が盛り上がる傾向があります。
  • 「約束」の媒体として使われることも
    • 例えば、「200ハッピーくれたら協力する」といった条件を提示し、それを受けることで「約束」が発生し、ハッピーを集める動機につながることがあります。
    • ハッピーは自分のものでなくても有効なため、周りの人から集めることも可能です。その過程で新たなコミュニケーションが生まれます。
  • 多様なコミュニケーションや文化を生み出す
    • ハッピーを「奢る」「奢られる」「催促する」「貸す」「貸される」といった行為を通じて、面白いコミュニケーションが生まれます。
    • 自分の1ハッピーを3ハッピーで売るような「ハッピー転売」も試す価値があると言われています。これにより、「なんでそんなもの買うの?」といった、ハッピーがなければ生まれなかった他者とのコミュニケーションが生まれます。
    • 「ハッピーリボ払い」「ハッピー自転車操業」「過払いハッピー請求」といった、一見するとハッピーではないような言葉遊びも生まれています。
    • 例えば日本円ではなかなか言えないセリフ「一括で払います」。ハッピーだと自然に出て双方気分が良くなる「副作用」もあります。
  • 初心者向けの楽しみ方
    • まずは「ハッピーの壁」を眺めてみることから。見るだけでハッピーな気持ちになるのだとか。
    • 慣れてきたら、ハッピーを巡って誰かと「約束」を交わすことが面白いとされています(例:奢る、奢られる、催促する、貸すなど)。

ハッピーは、その曖昧さゆえに一言では言い表しにくいものですが、そのわかりにくさが逆にフィルターとなり、少数のコアな人に深く届くことにつながっています。「まるで川に葉っぱを流すように、どこに流れ着くか予想できなくても、どこかしらには流れ着く」といった自由な楽しみ方が推奨されています。

私はこのお話を聞いた時、今まで出会ったことのない“高度なおとなの遊び”だ!と興奮を覚えて「ぜひEOSでも、やってみたいのですが」と申し出たのでした。
その時の中さんのお返事もまた面白くて、「ハッピーは鬼ごっことか缶蹴りみたいなもの、だれかの許可がいる類のものではない。どうぞ」とのこと。衝撃。

当日は、中さんにハッピーの楽しみ方をよく知っているハッピーユーザーとして立ち会っていただき、通行人をハッピーの世界へ誘っていただきました!

自由にレートを変えられるようにホワイトボード仕様の値札
テープで街をゆるめるdemo!tape」という都会の遊び方実験だったので、マスキングテープ型にしてペタペタ貼れるように
「愛はズボーン」のボーカル儀間さんとテーブルホッケーで遊ぶ息子の微笑ましい様子、を完全なファン目線で遠目から激写
5連けん玉・10連けん玉にチャレンジし続ける大人たち(毎回3ハッピー、5ハッピー書いてます)
ハッピー通貨テープは「販売して欲しい!」という声もちらほら
用意していたハッピー通貨テープが足りなくなり、急遽ホワイトボードで対応

この日炎天下にもかかわらず3時間という短時間で、167個ものハッピーが集まりました!

世界に届け!ハッピー通貨 応用編チラシ

ハッピーを楽しんでいただいた方にもれなくお渡ししていた応用編チラシ。日本円では生まれなかったであろう、ハッピーのおかげで生まれた「ちょっといいこと」エピソード5選、実際にハッピー通貨がつかえる実店舗紹介、1000ハッピーでできるペイフォワード事例を紹介しています。

これまでハッピーは関係者内で2万枚以上流通しているものの、革新的すぎるためか当時どの媒体でも詳細までは触れられておらず、こうやって活字化できたことは私の中でひそかに「やってやったぞ」の達成感となっています。

この日、ハッピーのおかげで生まれた「ちょっといいこと」エピソード

書字へのハードルが下がる即時報酬システム

集中力がなく、授業中に字を書くのをいやがる小学生男子がハッピー通貨特区にハマり、3時間ぶっ通しでハッピーを書き続けた。スクールカウンセラーの先生にこの話をすると「ハッピーを書くと得られる等価交換(報酬)システムは、「めんどくさい」が理由になってる子どものやる気と自己肯定感を育てる方法として非常に優れている」とお墨付きをもらった。

見知らぬおじいちゃんにも容赦なくハッピーを請求

ハッピーの説明もゲームの説明もすべて中さんにおまかせ。ハッピー通貨特区は一見とっつきにくいかと思いきや、知り合いではない方々の参加が割合として多かったそう。

5連けん玉やテーブルホッケーで楽しんでいる参加者の様子や値札を見て「わしもやりたい」「これもらえるんか」と中さんに声をかけてきた、通りがかりのおじいちゃんがいたそう。一旦説明は後回しにして「3ハッピーいりますよ」と雑に普通に応対したそうです。すると案外「そうか」とすんなりハッピー通貨制度を受け入れてくれたのだとか。

中さんにハッピー案内人を頼んで良かったと心底感じたエピソード。私だったらまずハッピーの長い長い説明をしてしまうだろうし、その結果きっとおじいちゃんは首を傾げてその場を立ち去ってしまう気がする。

都会で無限に遊び続けられる、ファミリーの遊び場

約2時間かけて、すべてのワークショップをたっぷり楽しんでくれたファミリー。小学生低学年のお兄ちゃんはハッピー大富豪になって、うまい棒を両手にぎっしり抱えて、「ありがとうございました!」と綺麗なお辞儀をし、人ごみの中を振り返り振り返りしながらホクホク顔で帰っていった姿が忘れられない。

こちらのファミリーのお父さんは、5連けん玉を何度も何度もチャレンジ。チャレンジの度に5ハッピーいちいち書かなくちゃいけないのに、めげずに毎回きっちりと書いて子どもたちと共に楽しんでくれて、そして最後の最後、見事成功!(知人づてで後日動画をお送りいただきました)思わずこちらまでハッピーが伝播。


◯ビニール傘の転生!アップサイクルワークショップ

これまでご紹介したワークショップは、はっきり言って「よくわからない……」を越えられる”面白がり力”が試されるものばかりでしたが、素材の透明感とともに一帯に清涼感を届けてくれたのが、こちら。

乃村工藝社さん × octangle[オクタングル]さんによる「ビニール傘の転生!アップサイクルワークショップ」です。

役割を終えたビニール傘をアップサイクルし、自分だけのオリジナル作品を作るワークショップ。ビニール傘由縁の「水や汚れに強く」「軽量なのに丈夫」なメリットはそのままに、凸凹でキラキラした独特の風合いが魅力的な再生素材を使用します。万博半年前のこの日の思い出をいつでも取り出せますように。

見たことのないテクスチャーと透明感にときめく
ワークショップで選べる工作のひとつ、アンブレラマーカー
素材一式も専用ポーチに入っていて気分が上がります!(このポーチもお土産として持ち帰りOK)
octangle代表 水谷さん自ら子どもたちにレクチャーする場面も
万博にちなんでオリジナルのパビリオンを作るマニアックコース。’70EXPOのパビリオンや開幕式も手がけた乃村工藝社さんならでは!
ちょっと難しいかもよ?と伝えると「だったらやりたい!」とチャレンジしてくれた子に元気をもらいました

大阪駅前の歩道で堂々とワークショップを楽しんだ記念

終始爽やかに対応されるスタッフの方々の笑顔とワイワイと楽しむ子どもたちの様子に癒されました!できたアップサイクル作品とともに記念撮影をパチリ。

大阪万博における、オフィシャルなA面も民間発のB面も

ちなみにこの企画を進めていた当時、乃村工藝社のみなさんはまさに大阪万博・夢洲会場のパビリオン施工の真っ最中。少ない合間を縫ってJR大阪駅前エリアの法規制と調整しながら、ワークショップの企画を練り上げてくださいました。

大阪万博のA面もB面も当事者として同時進行で携わっていた── これってバイタリティの話だけでなく、歴史の眼で見てももしかしてすごいことなのではないか…?と感じています。


都会での挑戦を終えて

2025年大阪・関西万博の開幕半年前を記念し、demo!expo が仕掛けた新しい街の遊び方を提案する実証実験プロジェクト「demo!tape」

境界線やルールの強化など、街を規制するためにテープを使うのではなく、街を緩めるためにテープを用いることで、機能的で利便性のある街から、その街に情緒的な文化を残したい、という思いから始まったと言います。

境界線をゆるめるとJR大阪駅前はどうなったか

demo!tapeによって、「都会と田舎」「大人と子ども」の境界線をゆるめてみた結果、“場”という小さな単位にフォーカスを当てるとその場には対比が生まれ、エントロピーが高まっていて非常に私好みの光景が広がっていました。例えば、

  1. 「梅田を象徴する無機質(金属・ガラス)な高層ビルの建築美」と対照的な「ほぼハリボテになりつつある使い込まれたダンボール製のヘンなただいま専用ドア」
  2. 「梅田を象徴する無機質(金属・ガラス)な高層ビルの建築美」と対照的な「有機的に不規則に動くポップでキッチュな長い手 」
  3. 「普段スーツでバリバリ働くお父さん」と対照的な「5連けん玉成功するまでハッピーを書き続けるお父さん」

長い長い1日を終え、手触りとして残ったのは結局都会でも田舎でもどこに行っても“何かの縮図”なのだなということ。ならばわたしは、一体どこで何に命を削って生きていこうか──この問いは、まだ続いています。


demo!expoさんからもイベント全体のダイジェストムービーが公開されています。

当日は、大阪梅田の数あるランドマークを舞台に、リアルRPG演劇、ゲーム体験、YES / NOで進む巨大フローチャート、ギャグ漫画、ライブパフォーマンスなどなど、この場所もあの場所も「想像力で(=無料で)遊べる」仕掛けが盛りだくさんでした。

こんなの……明るい未来を期待してしまうじゃない!そんな1日のようすをどうぞ!


2024年10月13日(日)
「EXPO OPEN STREET / STREET WORKSHOP」
@JR大阪駅 南側歩道(公開空地)

半年後の大阪万博に向け、JR大阪駅という玄関口から”まちを開いていく”。大阪のまちや文化の面白さを、人・エンタメ・音楽が楽しめるスペースづくりを通して発信するとともに、国内外からのお客様を迎え入れる姿勢と、未来へひらく想いを込めたイベント。
[主催] 一般社団法人大阪梅田エリアマネジメント
[共催]大阪市
[プロデュース]一般社団法人demoexpo
[STREET WORKSHOPプランナー]宇都宮頼子(一般社団法人とよのていねい/EXPO酒場 豊能店)


STREET WORKSHOP スペシャルサンクス!!

順不同・敬称略

◯手が長い人になって過ごす
こどもオモ部主宰 ジョー(的場聡子)
◯ハッピー通貨特区で過ごす
モルックドーム 中博司
◯ビニール傘の転生!アップサイクルワークショップ
乃村工藝社 ✕ octangle[オクタングル]
◯写真撮影協力:NOSE KNITs(のせニッツ)
◯当日ボランティアで手伝ってくれたみなさん
◯demo!expoメンバー、本PJプランナーのみなさん
◯EXPO酒場を通じて私たちを助けてくださった方々

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わたしたちについて

「都会の贅沢もいいけれど、せっかく豊能で暮らすなら心満たされる本当の贅沢を」ローカルWEBマガジンやイベントの運営、暮らし方の提案を通じて「豊能町っていいな」と町外はもちろん、町内の方々にも再認識してもらえたら、と活動中です。

 

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