大人の本気を見せつけたい!小学1年生のわが子とプロジェクションマッピング体験した話

by 頼子 2018年9月19日

その存在を知ったのは去年。目を奪われたチラシにはこう書かれていました。「豊能町プロジェクションマッピング体験 参加チーム募集!」

(この豊能町でプロジェクションマッピング?!)と失礼ながらすごくびっくりしたのを覚えています。そんな最先端のことをここ豊能町で?!と。

なんと今年で6年目をむかえるという、この企画。

興味はあるけれど「プロジェクションマッピング」という”いかにもスゴそう”キーワードも手伝って、(パソコン初心者じゃやっぱりだめかな)(わたしらが行ってもアウェーな感じにならないかな)とおよび腰になっている方も多いんじゃないでしょうか。

アイシーアイシー。私たち一家がひょんなことから参加することになりましたので、参加から制作、当日の発表などの様子をいっちょレポートしておきます!

 

参加の必須条件はたったこれだけ

参加の必須条件ですが、1チームは5名以内。代表者のひとりが、豊能町内在中でU20(20歳以下)であることさえ抑えれば、あとは誰でも参加OK。つまり代表者以外は、大人もOK・町外からの参加もOKというわけ。わたしたちも小学1年生のむすめを代表者として担ぎあげて、参加させていただくことにしました!

 

作り方教室ってどんな感じ?

プロジェクションマッピングで上映する映像作品のノウハウは、作り方教室で学ぶことができます。アニメーションのつけかた、BGMを入れる方法など全7回を受講してオリジナル作品づくりに挑戦!

5月からスタートする作り方教室は、西公民館にて第2・第4土曜日に開催。

貸しパソコンが数台用意されているほか、ネット回線完備。手ぶらで参加しても大丈夫です。
作り方教室で使うソフトは、ビジネスマンにはおなじみのマイクロソフト社のパワーポイントのほか、フリーの動画編集ソフトAviUtlを使います。

2時間かけて、先生がゆっくりていねいに教えてくれます。お菓子やジュースもあるよー!

 

絵が描けないんだけど……、と自信のない方でも大丈夫。作品づくりを純粋に楽しめるよう、ネット上でダウンロードして即使えるフリー素材などのお役立ち情報も惜しみなく教えてもらえますよ。

校舎の壁が印刷された紙と色鉛筆が常備されているので、まずは紙ベースで自由にアイデアを膨らましても。

 

作品が徐々にできあがるのに合わせて、何度か現地チェックとリハーサル上映を行います。各自、色や位置の調整をして、最後の追い上げです!

 

そしてむかえた、発表当日

作品のお披露目は8月下旬。会場はここ、豊能町東ときわ台小学校。この日は夕涼み会も行われていました。

プロジェクションマッピングが行われるのは、あたりが暗くなってから。
夕涼み会にお邪魔させていただいたり、影絵をしたりして待っていると……

続々と観客の方達が集まってきました!

レジャーシートを広げると夜のピクニックのようでなんだかワクワクします

プロジェクションマッピングが行われる中庭は、気持ちの良い芝生の広場になっています。みなさんレジャーシートをちゃんと持参されていて、のんびりくつろぎながら上映を待ちます。

 

いよいよ鑑賞会がスタート!

予定時間が近づくと、あたりはすっかり夕闇に。

(ついこないだまで、何時になってもあんなに明るかったのに…!)と驚きながら、いつのまにか夏の終わりがすぐ近くまで近づいていたことを思い知ります。夏の終わりの寂しさと、これからお祭りが始まる高揚感が同居する、不思議な感覚を覚えながら雑談していると、いよいよプロジェクションマッピング鑑賞会がスタートです!

小学校を上空からとらえたドローン映像も登場

 

誰だ!そこにいるのは……!

 

 

とよのんがボールになったり、廊下を全速力でかけっこしたり、ある時は見事な花火になったり……。昨今のハローキティ並のバイタリティとサービス精神に思わず笑みがこぼれます。

 

上映の合間にふと空を見上げると、満点の星空が広がっていたりする

 

そしてわたしたちの参加作品はこちら。

プロジェクションマッピングについてはズブの素人、校舎の壁を活かせるような新しく面白いアイデアはないものかとギリギリまで粘った結果、時間切れで普通のスライドショーになってしまいました。いやはやおもしろむずかしい!!

まったくマッピング要素のない作品なのですが(笑)、見ている人が少しでも楽しんでくれたらと作りました。ぜひ下のYouTube作品も見ていただけると嬉しいです。

 

で、プロジェクションマッピングの仕掛け人は誰?

今でこそ周知されているプロジェクションマッピングですが、6年も前から豊能町内で子ども達にプロジェクションマッピングを教えよう!と先見の明をもって活動されてきた方って一体どんな方なんだろう。

そう思い、豊能町プロジェクション・マッピング体験実行委員会の代表の川村新さんに、後日改めてお話をお伺いすることにしました。

代表者の川村さん。本当に楽しそうにお話される姿が印象的。

インタビューでは、これまでの人生行路についてもお聞きしたのですが、一言で言えば波瀾万丈、ターニングポイントの数々。そこにはきっとご苦労があったと思うのですが、語り口がなんとも軽快で枯淡、思わず聞き入ってしまいました。

川村さんは国立大学を卒業後、営業職で就職、結婚し長男も生まれ…とはたから見れば順風満帆な中、スパッと仕事を辞め大学院へと進む道へ選びます。その後大阪大学の教員を務めるため、豊能町へ引っ越してきたのが2003年。現在は京都産業大学の情報理工学部の教授をされています。

 

なぜプロジェクションマッピングなんですか?

子育てにちょうどいい、と移り住んだ豊能町。子供たちが成長するにつれ幼稚園、小学校、中学校と数々のPTA会長を引き受けているうちに(なんと、ひかり幼稚園では初代会長だったそうです)同じ町内に住む育児中の親同士のネットワークがだんだんと広がります。

そんな中、お父さん同士の繋がりも深めたらなんか面白い事できるんちゃうか?という思いで「パパのみ会」なるものを発足。定期的に開催する中で、川村さんが出したアイデアがこの「プロジェクションマッピング」だったそうです。

パパのみ会には名物キーマンがいらっしゃるそうで、その方の鶴の一声「それ、やろうや!」を皮切りに、先に開催日時だけが決まってしまい大慌てで準備が始まります。そこに大工さんパパ、音響に強いパパなど数々のパパパワーが集結し、なんとか初年度の2013年は無事開催、大盛況で幕を閉じたそうです。

思っていたよりも反響も大きく「来年もお願いします!」と頼まれて、次もやることになっちゃったんですよね…と当時をふりかえって川村さんは笑います。

 

子どものためだけじゃない、お父さんお母さん出番ですよ!

「最初は子どもの教育のため、という目的ではなかった」と語る川村さん。とくに印象的だった、夢のあるお話をひとつご紹介したいと思います。

 

豊能町には外へ働きに出ていて、その道のプロフェッショナルとして活躍している方がたくさんいるんですよ!せっかく優秀な人、技術を持った人がいるのに、町内にはまったく知られていない──、そんなのってもったいないと思うんですよね。
たしかにそういった声、よく聞きます。
……僕ね、お祭りがやりたくって。
へー!お祭りですか。
いわゆる”お祭り”って、農作物などその年の豊饒に感謝するといったようなその土地に根ざしたものが原来ですけれど、僕が考えてるのは、ちょっと違って、”人”が中心になるお祭り。
ええ。たとえば?
町外から仕入れた知恵や知識、テクノロジーが集まるお祭りなんです。技術を持ってる人が、ワザを披露できるような場。話題になりかけのものをいち早く豊能町でキャッチできるようなね。
うわー面白そう!!「今年はどんな技術が集まるんだろう?」なんて言いながら楽しみにするわけですね。
それは絶対子どもの自慢にもなるし、町外の人でも見たいという方多いでしょうねー!
そう、それをね、やっぱりお父さんお母さんにやってほしくって。子どものため、と考えるより、自分が楽しめるものを全力で楽しんでいたら、その背中で伝わるんじゃないかなと思ってるんです。

 

今こんなことを考えていて──、とポンポンと飛び出す構想中のアイデアの数々。終始話が弾み、気がつけば予定よりもインタビュー時間がオーバーしていました。

まずは自分が楽しめないと!と飛び出すアイデアの物量がすごい。

楽しんでる大人を集めたいんです!とそう熱く語る川村さん。惹きこまれない理由がないことを分かっていただけますでしょうか。

 

わが家のお父さんからの雑感

親子で体験できるイベントを前に、自分が行っていいんだろうか、楽しめるだろうか、アウェーになりゃしないか、そんな風に思うお父さんも多いと思うのですが、変わり者で有名なうちの夫でもわりと溶け込めていました(笑)

このプロジェクションマッピング教室は、はたから見てますとお母さんよりもお父さんののめり込み度が高く、お子様と力を合わせて作品を作っている姿が目立ちます。

同じパパとして川村さんのお話、そしてプロジェクションマッピングを体験した、わが家のお父さんにも最後感想を聞くことにしてみました。

子どものための、というイベントかと思いきや、まさかの親主体目線に好感を持ちました。自分が全力で楽しんでる姿を子どもに見せられる絶好のチャンス!この夏、わが子と一緒に分かち合う完成の喜びはなんだかグッとくるものがありました。親子共通の夏休みの思い出づくりに、ぜひ一緒に楽しみましょうー!(わが家のお父さん談)

 

取材協力いただいたお店「手作りパン屋さん Tartine – たるてぃーぬ」

今回場所をご提供いただいた「たるてぃーぬ」さん。北海道国産小麦のみを使用した、こだわりのオリジナル製粉で作られるバラエティ豊かなパンの数々。まいにち安心して食べられるパンをという思いで、ご夫婦でお店を営んでいらっしゃいます。

店内のイートインスペースにお邪魔させていただき、焼きたてパンと一緒にコーヒーをいただきながらのインタビューとなりました。

朝一番に訪れた際には、ショーケースには焼きたてパンがたくさん並び(うふふ、終わったら買って帰ろうっと♪)と楽しみにしていたのですが、さすが地元に愛されている名店です。インタビューを終えるころにはみるみる減っていて、なぜ前もって買っておかなかったのかと自分の判断ミスを心底悔やみました……!

奥様に頼まれてるから、とパンを物色される川村さん。菓子パン、惣菜パン、リーンなパンとまんべんなく大人買いする姿に愛妻家の一面がうかがいしれました。

こちらはたるてぃーぬのご主人に「焼きたてです」と教えていただいた天然酵母のバタール。帰ってさっそくいただきました。何もつけなくても、粉の香ばしさと甘みがじんわりと広がる実直なパン。バターをつけるとさらに旨味が引き立ちます。

天然酵母で全粒粉というと癖のあるイメージでしたが正反対。時間が経ってもふわふわで、年齢の高い方への手土産としてもいいかも。あの人のためにもう一本買っておこうかな、そんな風に大切な人へ思いを馳せてしまう、やさしいバタールでした。

手作りパン屋さん Tartine – たるてぃーぬ 店舗情報

定休日 : 日曜日・月曜日
営業時間 : 火~木 9:00〜18:00 / 金~土 8:00〜18:00
場所   : 大阪府豊能郡豊能町東ときわ台2-2-12
電話   : 072-743-0347
駐車場  : 2台
席数   : 10席(事前にご連絡頂きましたらお席の確保を致します) 禁煙席のみ
詳細はお店のHPFacebookページをご覧ください。

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