こども取材室 # rural編-とよのしごとLABO-

by yu1
とよのていねいポッドキャスト
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こども取材室 # rural編-とよのしごとLABO-
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「こどもが記者になって、豊能町のしごと人たちを取材して回る──そんなラジオ番組を作ってみない?」この企画はサグるさんとのお話しの中で生まれました。

※これまでの開催やプロジェクトの詳細については過去記事をご覧ください

オオニシカナコ
(染めもの作家/サグる)
きたわきひろし
(作業療法士/サグる)
相澤由依
(とよのていねい)

本当のキモチが聞き出せる「なぜなぜ攻撃」を使いこなそう

インタビューをする上で、気を付けたいポイントは「相手の思いを引き出すこと」。一問一答で終わるのではなく、相手の答えに「なぜ?」「いつから?」「具体的にはどういうこと?」と質問を重ねていくことで、その人のことをもっともっと知ることができます。

取材に出発する前に、子どもたち同士でインタビューの練習をしました。練習のお題は「一日魔法が使えるなら何をする?」。ワクワクするお題を前に、初対面の子たちもすっかり打ち解けた様子。

インタビューシートに沿って、相手の答えに「なぜ?」などの質問を重ねていきます

多数のメディアに取り上げられている「rural」さんへ

今回の取材先は「ランドセルリメイクrural」さん。ランドセルリメイクを行うのは、ランドセル専門職人の平田薫さん。持ち主の気持ちに寄り添って、ひとつひとつ手作業で仕立て直してくれます。

また、リメイク後に残った革やパーツも廃棄せず、キーホルダーやパスケースなどの小物に作り替えアップサイクル。ネットではアウトレット価格で一般販売もされています。最近ではTVや取材にも多数取り上げられ、豊能町のふるさと納税にも選ばれているruralさん。

店内には「よゐこ」有野さんのサインも。

家に眠っているランドセルが3つも。なんとかできひんか?

平田さんも、3人のお子さんがいるパパ。豊能町のこども会を長年支えてくれているキーパーソンでもあります。
子どもたちが大きくなり、長男のランドセルをクローゼットにしまい込んだまま、次男が小学校を卒業。「2年後には長女のランドセルがここに加わる。どうしたものかなぁ……。」と考えていた折、知り合いの革職人さんで長財布に仕立て直してもらったそうです。時折お手伝いをしながら完成した長財布を見て、想像以上の出来栄えに感動し、役目の終えたランドセルの行き場にみんな困ってるんじゃないか?自分と同じ感動を味わってもらいたい!そんな思いからruralを立ち上げたといいます。

Q. いつからこの仕事をしていますか?
平田: それまではファイナンシャルプランナーとして働いていたんだけど、2016年3月(次男の卒業のタイミング)から商品ラインナップを考えたり、子ども会のママ層にマーケティングしてみたり、中古ランドセルを買って練習したりしていましたね。

近年色とりどりになったランドセルを反映して、工房には多様なカラーの革が並びます。

豊能町で雇用を生み、経済を循環させたい

お母さまが洋裁の教室をしていたこともあり、小さい頃から見よう見まねでミシンを使ってものづくりをしていたという平田さん。単純なものがまず作れるようになり、2年もすると小物すべて自分で作れるようになったと言います。
2018年12月能勢電鉄沿線の駅に設置されているフリーペーパー「のせでん」に紹介されたこと、またそのフリーペーパーが兵庫県川西市の小学校全校配布されたことをきっかけに、ランドセルリメイクの注文が増え始め、クチコミで広がり始めます。2019年2~3月ぐらいには北海道から沖縄まで、日本全国から注文が入るようになったのだとか。

Q. 世界展開は考えていますか?
平田:ランドセルは日本にしかない文化なので、日本だからこそ需要があるんじゃないかな?世界にはなかなかウケへんと思う。

受注数が増えたことをきっかけに勤めていた会社を退職。はじめは自宅の屋根裏にちいさな工房を構えひとりで作業を行なっていましたたが、豊能町新光風台にrural専用工房を構えます。

Q. 豊能町で店舗を構えた理由は?
平田:最初から豊能町しか考えてなかったね。子ども会のママから子育てしながら働くことの大変さを聞いていたので「豊能町は働く場所も少ないし、シフトなども自由で融通のきく仕事場を作りたい」と思ってたんです。

子どもたちにニコニコと接しながら、手は黙々と動かし続ける頼もしいお母さんスタッフがたくさん。

唯一無二の思い出のランドセルだからこそ厳しい世界

一年を通じて、春が一番のピーク。繁忙期は1日10個ものランドセルをリメイクしているんだそう。ランドセルには部品が11点あって、一枚の革から順番に縫い合わせて作っていくため時間がかかります。繁忙期に備えて、受注が落ち着く夏の間に部品パーツを作ったり、リメイクして残った革を再利用するために部品ごとに仕分けしたり、年間を通じていろんな作業をしているそうです。


開業当初は失敗することもあったという平田さん。思い出のランドセルは世界にひとつしかないので、相当に気を遣いますよね……。「失敗してしまった時はどうして失敗したかを考えて、次に活かすようにしている。失敗から学ぶことはたくさんある。」とランドセルリメイク専門だからこそ培ったノウハウや厳しさを教えてくれました。

つまり一年中ずっと忙しいruralさん。作業の合間を縫って仕上げるパーツ作りも大切な仕事。

ランドセルで作れるものってどんなもの?

ruralさんの商品は財布やキーホルダーなど身につけるものを中心に展開されています。

Q. 持ち歩くものにこだわる理由は?
平田:ランドセルの革は放置すると劣化していくんです。使って使って使い込むことで、人の手の脂が染みて長持ちするんです。

Q. 人気商品は?
平田:折財布やパスケース。中学生になって使う機会があるものが人気やね。

Q. 一番高い商品はどれですか?
平田:長財布やね。なぜならパーツも多いし、面積が大きいからね。

常に新しい商品にも挑戦され、今年の夏には新商品として「カゴバッグ」もリリースされました。
商品になるまでの流れは

  1. 型紙製作
  2. 型紙に合わせて裁断
  3. 試作
  4. 使い心地を試す
  5. 型紙から金型を作ってもらう
  6. ランドセルに当てて型を抜く
  7. パーツ同士を縫合、仕立て直して完成

Q.ランドセルでゴジラは作れますか?甲冑は作れますか?
平田:ゴジラや甲冑は丸みのあるパーツになるので、さすがに難しいな〜!(笑)

まず型紙からスタート。納得がいく形になってから専用の金型を作ります。

さすが日頃から多くの子どもたちと接している平田さん。子どもの想像を超える質問にもにこやかに答えてくれましたよ。ありがとうございました!

ラジオ番組ONAIR!
たっぷり聞いたお話しを自分の言葉でまとめよう

どんなお話しを聞いたか、気になった商品や平田さんのことを思い出しながら座談会スタイルでラジオ収録を行いました。工房ではたくさんお話を聞いて少し緊張していましたが、ラジオ収録ではリラックスした状態で、思うままに発言してもらいました。
「やっぱりゴジラを作ってほしいなー」「私はヘアアクセを作ってほしい」と、ちゃんと《自分だったら》と置き換えてしっかりと吸収してくれたようです。


いつも通りの飾らない様子の子どもたちが、わいわいと素直に意見交換し合う、とっても微笑ましいラジオ番組になりました。

(子どもたちのかわいい声が響くラジオ番組本編をぜひ聞いてみてください!)

夏休みに地域で学び・思い出を残そう

実はruralさんが記念すべき初の「こども取材室」でした。豊能町の西地区・東地区の子どもたちが参加し、中学生の参加もありました。異年齢でそれぞれの興味関心が個性豊かなメンバーでしたが、イベントを通じて町内で働く大人や仕事との出会い、こども同士の出会いも含めてあの夏の思い出の1ページになってくれると嬉しいです。

ruralさんありがとうございました!

取材先を募集しています。

こども取材室は回数を重ねていくことでたくさんのお仕事を知る機会が増え、質問やラジオ放送での発言に自信を持つこと、地区や学年を超えたこどもたち同士の交流や、大人との出会いに繋がります。
今後も不定期ではありますが、取材先を募集しております。「取材に来てもいいよ」という事業所の方はぜひお問い合わせください。
お問い合わせ:toyono.teinei+saguru@gmail.com

取材先:ランドセルリメイクrural
講師:サグる

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わたしたちについて

「都会の贅沢もいいけれど、せっかく豊能で暮らすなら心満たされる本当の贅沢を」ローカルWEBマガジンやイベントの運営、暮らし方の提案を通じて「豊能町っていいな」と町外はもちろん、町内の方々にも再認識してもらえたら、と活動中です。

 

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