おすすめ読書:友罪

by 正宗3 2019年9月12日

さいきん町立図書館でいろいろイベントさせてもらってて、なんかこう、あれですよね。感慨深いです。ネット上での活動が長ければ長いほど、ネットを飛び出してリアルイベントに発展することに特別な意味を感じますし、実際に豊能地方での暮らしの提案を長年やってるとよのていねいが豊能町立図書館でいろいろイベントさせてもらえるのって、「とよのていねいやっててよかった〜!」って心から思える数多くの喜びのひとつです。

そんな中で、先日とよのていねいが図書館で行った、

半畳サイズのマイ図書館

半畳サイズのマイ図書館(詳しくはこちらをご覧ください)というイベントなんですが、そこでステキな出会いがありました。

本との出会いは人との出会い

イベント自体は、単純に言ってしまえば「図書館にある本のなかで、自分のオススメの本を紹介し合おう」という趣旨のものなんですが、それならばと参加してくれた、豊能町が誇る本のソムリエ。小中学生のみずみずしい感性で選んでくれた本はどれも新鮮な驚きを与えてくれました。

イベントは予定通り16時に無事終了しまして、参加いただいたソムリエの彼も帰っていったと思ったら、しばらくして一冊の本を抱えて戻ってきました。

「これ、ものすごく面白いんでぜひ読んでください」

そういって手渡された本がこの一冊。

映画化もされてるんで、予告編みるとどんな雰囲気かもわかりやすいですね〜。

予告編見る限りでは映画は原作と少し違うような。

あらすじとしましては、ある有名な事件をモチーフにした「その後」を描いた群像劇です。ほとんどの登場人物が、暗い過去を抱えてたり挫折にぶち当たっていたりすねに傷をもっていたりする中、ふとした拍子で近づいてしまった隣人を信じれるのか?というテーマに沿って物語は動きます。
私の知ってる限りでは吉田修一の「怒り」も近いですし、山上たつひこ原作いがらしみきお作画の「羊の木」にも似たテーマがあったように思えます。この2作品も映画化もされてるので予告編貼ってみます。

過去まで含めて、人は隣人を信じられるのか、人間の弱さとはどこにあるのか、を浮き彫りにすることで逆説的に強さとは何かを教えてくれるというか、それ系です。とっても面白かったです。

本との出会いは人との出会い

本との出会いは人との出会いですね。2回言っちゃった。実は上にスクロールしてさっきも言っちゃってるので、この記事で計3回言ってます。

そもそも、私好きなんですよね〜。弱い人間とか問題を抱えてる人間とかが集まって、寄り添うように生きている物語って。そもそも好きな物語なのもあって、大変満足な読後感を得ることができました。

で、ですね。単純に本との出会いもうれしいんですが、それよりもうれしいのが、本のソムリエがこの本を薦めてくれたことです。先ほど本のソムリエは小中学生と言いましたが、この町の子供達がこのレベルの、大人が満足できる重厚な小説をオススメしてくれるということそのものが、この町で子育てをしてるおじさんとしてはとってもとっても嬉しかったのです。

ということで、4回目言いますが本との出会いって人との出会いだよなーと改めて思った読書体験でした。
この町に住んでないと得られない読書体験ですし、図書館でのイベントが無いと起こらない出会いですし、暮らしと読書、そして図書館。とよのていねいならではの読書体験の紹介記事でした。

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